主人公であるヴィンセントは、宇宙に行くことを夢見て、その宇宙センターであるガタカで働くことを目標とします。しかし、遺伝子的に不利とされた彼がガタカで働けるとしたら、それは清掃員としての仕事しかないのでした。
(出典:Sony Pictures Entertainment Japan lnc.)
それでもいつか、この場所で。そんなことを思いながら清掃するヴィンセントに、彼の上司はこう言います。
[Today’s phrase]
– When you clean the glass, Vincent, don’t clean it too well.
文章自体に難しいところはありませんが、今回は名言のようなフレーズを引用してみました。この文章が持つ意味について考えてみましょう。
そのまま訳すと、「ガラスを磨くときはね、ヴィンセント、綺麗にやり過ぎたらダメなんだ」となります。重要な点としては、cleanで「綺麗にする」の意味があることですが、果たしてこの台詞の意図とは何なのでしょうか。
ヴィンセントは、これに対して「どうしてです?」と返しますが、上司は単に「今にわかるさ」と答えるだけで、明確な答えをくれはしません。それに対してヴィンセントは、「でも、綺麗に磨けば、向こう側に居る人から僕がよく見えるでしょう」と言い、上司は笑ってその場を去ります。
あなたは、上司がどうしてこんなことを言ったのだと思うでしょうか。glassとは何かの比喩なのでしょうか。綺麗に磨き過ぎたらダメな理由とは何なのでしょう。物語の中では明らかにされないその意図について考えてみるのも、映画の楽しみ方のうちの一つですね。
[Today’s question]
次の文章を訳してみましょう。
以下は、考えられる”その理由”のうちの一つです。
who you areは、「あなたが誰であるか」という意味になります。reflectは、「反射する・反映するといった意味です。するとどういう意味になるか、わかってくるでしょう。
しかし敢えて、今回は訳例を示しません。実際のところ、英語ではその訳が正しいのかどうか、それを確かめる確実な方法は存在しないことがほとんどです。そういったとき、自分の訳に自信を持つこと、自分の理解力に自負を持つことも、英語学習の中では重要なことです。
今日はこの辺で!