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日本人はどうして英語が苦手なのか?

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日本人が英語を苦手なのには理由がある。その理由を知れば、学ぶことも気が楽になるだろう。

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英語と日本語の文法的な違いとは?
英語と日本語は文法的に全くことなる。そして、それが持つ意味合いとは?
英語と日本語の文法以外の違いとは?
英語と日本語の違いは文法だけではない。もちろんそれは、日本人の英語嫌いに一役買ってしまっている。
英語を学ぶときの心構えについて
では、どのように英語を学べば良いのだろうか。

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英語と日本語の文法的な違いとは?

文法イメージ

1. そもそも、文法が全く違う

英語では、例えば「彼は犬を飼っている」を”He has (keeps) a dog.”とする。文型に当てはめて考えてみると、これは第三文型だ。いわゆる、SVOの形というやつである。Sは主語、Vは動詞、Oは動詞の目的語を表している。だが、「彼は犬を飼っている」は、SOVという形になっていることに気がつくだろう。

また、少し長い文章について考えてみよう。英語は、関係代名詞などを用いて、どんどん後ろの方に長くなっていくが、それでもやはり、主語と動詞は前の方にあるので、文章の主張が損なわれることはない。一方で日本語は、動詞が最後に来ているので、最後まで読まなければ行為の内容がはっきりとしない。

つまり、文章を理解するとき、日本語と英語では、期待している情報の順序が全く異なることになる。だからこそ、日本語を母国語とする日本人は英語がわかりにくいのだ。

2. 文法が違うとどう違うか?

既に述べたように、文法が異なると情報の順序が異なる。そのため、頭の中で情報を整理しようとしたときに困難を覚えるのである。この、情報の順序の違いには慣れるしかない。なにせ、もう十年も二十年も、私達は日本語と一緒に生きてきた。それを今すぐに英語の語順と情報の順番に適応しようという方が無理難題なのである。

英語と日本語の文法以外の違いとは?

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1. 日本語には多種多様な文字がある

当たり前といえば当たり前なのだが、英語にはアルファベットしか無いが、日本語には多種多様な文字がある。それは何を意味しているのだろうか。

日本語は漢字とひらがな、カタカナによって表現を使い分けることができ、特に漢字は表意文字でもあるため、見た目からすぐに意味を推測できる。だが英語にはアルファベットしか無いため、実際にスペリングを確認し、発音をイメージしない限りは単語の区別や内容の認識が出来ないのだ。

2. 理解が追いつかないと早く聴こえる

人は、発話に対して理解が追いつかないと、発話の方を早く感じる傾向にある。また自分自身が発音できない早さに対しては、やはり他人の発音を聞いたとしても理解は追いつかない。

当然だが、だれでも英語を学び始める段階ではゼロベースだ。だからこそ、最初は理解が追いつかず、英語が早く聴こえるのである。だがそれは、理解できるようになれば追いつくようになる。まだ、あなたの脳が英語というものを理解できるようになっていないだけなのだ。

英語を学ぶときの心構えについて

勉強イメージ

1. 完璧さを求めてはいけない

英語を話そうとするときに限って、何故か完璧さを求めようとする人は多いが、しかし言語について完璧などありえない。そもそもあなたは、日本語は完璧だろうか。知らない言葉、知らない発音、知らない漢字、知らない用法、知らない文法が全くないと言い切ることができるだろうか。

おそらくはそうではないはずだ。知らない言葉、知らない語彙、知らない漢字があっても、その中で何も問題なくコミュニケーションをとれているのである。言語の完璧さなど、その程度のものなのだ。

2. 長期的に学習すること

言語の学習というのは、単に言葉を覚えるだけのことではなく、既に述べたように、その言語の情報の提示の順番なども含めて脳が順応することにある。そのため、一日や二日、半年や一年だけで効果が出るものではないのだ。

そして同時に、言語の習得に完璧が無いとするのなら、ゴールもない。英語を学ぶと決めたその日から、あなたは一生、英語というものを学び続けていくことになるだろう。だがそれは、徐々にあなたの生活の一部になっていくので、辛いことだとは思わないはずだ。何事も、最初の出だしが肝心で、それが一番大変なのである。

3. フレッシュ・スタート効果

ひとつ、最初の出だしで躓かないための心理学的なテクニックをお伝えしておこう。人間は、週の初め、一年の初め、あるいは誕生日を区切りにするなどして物事を始めると長続きする傾向がある。

例えばまずは留学をして、そこから英語の勉強を始めよう等、意識的にスタートを切ることが重要である。

まとめ

英語が苦手、というのは日本人が背負ったハンデであるとも言える。だが、だからこそ英語を学ぶことで得られる恩恵は大きいのだ。気楽な気持ちで、過去の自分よりも優れた自分になるための一つの方法として学習してみるのも良い動機付けだろう。

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