英語教師にはどうしたらなれるのか?必要な英語力や技術、実際のプロセスについて考えよう。
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- 英語教師になるにはどの程度の英語力が必要か?
- 生徒を指導できるだけの英語力とはどれくらいを示しているのだろうか。
- 英語教師になるためにはどのような勉強が必要か?
- 英語教師として求められる英語力を身につけるための勉強方法。
- 英語を学ぶことと、英語を教えることの違いとは何か?
- 英語を学ぶことと教えることの違いからわかる、”あなたは英語教師に向いているかどうか”を考える。
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英語教師になるにはどの程度の英語力が必要か?
1. 教師が身につけるべき英語力と、どうやって教師になるか?
教員としての教師の場合、教員免許を取得しなければならないので、試験を受ける必要がある。この試験は、TOEIC900点、あるいは英検一級を持っていると英語の科目が免除されるという特典があるが、実際のところ、英検準1級以上の取得率は25%となっている通り、ほとんどの教師の英語力は英検2級から準1級レベルであると言える。
また、教員免許の取得のためには大学に通っていなければならないが、通信大学などを用いれば社会人であっても教員免許を取得することは可能だ。通信大学の多くは本来の学費よりも安く済むため、やる気さえあればいつでも挑戦できるのである。ただし、教員採用試験については各都道府県によって年齢制限が設けられていることがあるので、それだけは注意したい。
だが実際には、教員免許がなくても”講師”にはなれる。レクチャーを行うための場所を探し、生徒を探し、実際にクラスを開いてしまえば良いだけなのだから。家庭教師、塾講師も教員免許が必須ということはほとんど無いので、ある程度の英語力があれば誰でもなれるのである。率直に言えば、教室さえあれば、あなたは教師だ。
2. 規範文法と記述文法
教師に必要な英語力はあまりハードルが高くないとわかったところで、しかしながら”生徒が期待する教師の英語力”は、端的に言って”完璧なもの”である。だが、完璧な英語力とは何か。
話は少し飛ぶが、規範文法と記述文法という考え方がある。規範文法とは、言語は文法やその他のルールに則って正しく運用されるべきだという考え方で、記述文法とは「言語は常に変化するものであり、正しい・正しくないなどないのだ」という考え方だ。そしてお分かりの通り、ほとんどの英語の学習は、規範文法の原則に則っている。
完璧な英語力とは、一つには規範文法に違反しない英語力ということだ。そして、以前に述べた通り、英検二級レベルの文法を守れば、十分に規範文法の原則を運用できる。一方で、語彙に完璧はありはしない。生徒の期待に応えるには、常に新しい語彙を学び続ける姿勢が必要になるだろう。
英語教師になるためにはどのような勉強が必要か?
1. どのようにして語彙を増やすか?
すでに述べたように、英語教師としては最低でも英検二級レベルの文法、そして常に語彙を学び続ける姿勢が必要になる。文法は一度身につけてしまえばなくなるものではないので、英検二級や準一級に受かる頃、あるいはTOEICの総統のスコアをクリアする頃には自動的に身についていることだろう。
問題は語彙ということになるが、これは生徒に必要な語彙を覚えるのが良いだろう。学校の教師としてなら受験用の語彙を、社会人の講師ならビジネス英語などの語彙を常に覚える。
受験対策の語彙ならば、市販の問題集をいくつも解いたりすることで、学生に必要な語彙が見えてくる。一方社会人の講師なら、英字新聞を読んだり、海外のニュースサイトを読んだりすることで、語彙を増やしていくと良い。
ただ、いくらがんばったところで、知らない語彙は無くならないだろう。だがそれは仕方がない。日本語ですら私たちは知らない言葉が未だにあるというのに、英語で知らない語彙がなくなるわけがないのだと思って諦めよう。その都度、覚えれば良いだけの話なのである。”完璧であること”を諦めれば、語彙の習得はぐっと楽になるのだ。
2. 教える技術
これまでは英語さえできていれば良かったが、それだけでは英語教師としては半分だ。そう、”教師”である以上、教えるための技術も身につけなければならない。
これは実践を通していくのが一番だが、今すぐにできる一つ心に留めておくべきことは、自分が詰まった学習のポイントを整理し、理解しやすいように分解するように努めることだ。
そして、自分もかつて”英語ができなかった人”であることを忘れないことだ。多くの教師は、それを忘れて生徒に心ない言葉をかけたりすることがある。生徒の立場にたち、一緒に理解を深めるという心構えは決して忘れてはいけない。
英語を学ぶことと、英語を教えることの違いとは何か?
すでにお分かりのように、英語を教えることは、実は英語を学ぶことをそのまま内包している。教えるためには学ばねばならず、学んだことは教えに活かすことができる。その違いは、相手の立場に立つ必要の有無だけだ。
つまり、誰かの立場に立って英語を学ぶという姿勢をあなたが維持できるのなら、それだけであなたは英語教師に向いているのだ。
まとめ
ハードルが高いと思われる”教師”という職業だが、実はなろうと思えば誰にでもなれるものだ。必要なのは、”生徒の立場に立つ”という一点だけ。キャリアの面において、英語力は強い武器なのである。