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映画「ソーシャル・ネットワーク」から学ぶ英文法|接尾語「athon」の表現方法

いよいよソーシャル・ネットワークからの引用も最後となりました。

Facebookが思いの外、或いは予想通りに広まったことに満足していたマークですが、恋人を見返すためにはまだまだFacebookを大きくしていかなくてはいけない、ということになります。

映画 ソーシャル・ネットワーク
(出典:Sony Pictures Entertainment Japan lnc.)

そして、彼が助言を仰いだのがショーン・パーカー。かつて、音楽共有サービスのナップスターを設立した、新進気鋭の起業家でした。マークはショーンのある種カリスマ的な人間的魅力に引きつけられますが、友人のエドゥアルドはそうではなかった様子。エドゥアルドは、かつてのショーンとの対談を、このように振り返ります。

[Today’s phrase]

– From that point on, it was a Seanathon.

前半のFrom that point onは、「そこからは~」を意味する副詞句です。問題は、Seanathonが何なのか、というところでしょう。これは知らなければ推理するのもかなり難しいのですが、重要な要素は主に2つあります。

1つ、ショーン・パーカーのスペルは、Sean Parkerであること。もう1つは、-athonという接尾語が存在することです。接尾後とは、-nessがtoughやweakについて名詞をつくるといったように、別の名詞の後ろについて意味を付け加えたり単語を作ったりするもののことです。

この-athonは、marathonなどに使われるもので、長時間の持続的運動を表します。そのため、例えばbikathonと言えば、bike + athonで、「バイクの長距離移動、バイクでするマラソン」などと言った意味に、talkathonと言えば、talk + athonで「長時間の討論」の意味です。その他、begathon(寄付を募るような長時間番組)やblogathon(短い間隔でブログを投稿し続けること)などもあります。

≪和訳≫
すると、Seanathonは「長時間Seanが続くこと」の意味であり、「ずっとショーンのペースで物事が進んだ」ということを表しています。従って、文章の翻訳例は、「そこからはずっと、ショーン・パーカーの独壇場だった」や、「そこからずっとショーンのペースだった」などといった意味合いになります。

このように、既存の言葉に接尾後を合わせて新しい言葉を作るのはよくあることですが、あまりに新しい言葉やユニークな言葉は理解してもらうのが難しいかもしれません。

そういった意味で時と場合が大事ではあるものの、こうして新しい言葉を作れるようになれば、英語をぐっと使いこなしている印象になるでしょう。ただし、何でも新しい言葉にすれば良いというものでもなく、こういった新しい言葉を嫌う人が居るのは日本と同じなのでご注意を。

[Today’s question]

次の文章の意味を考えてみましょう。

– His painting is Picassoesque, and many people can hardly estimate the real value.

重要なのは、Picassoという単語が入っていることに気づけるかどうか、といったところでしょう。すると、その前後で分けることができるので、Picasso-esqueという単語(造語)であることがわかります。

Picassoとはもちろん、画家のピカソのことであり、-esqueは「~を思い起こさせるような、~風の」といった意味を作る接尾語です。辞書に載っている単語では、picturesqueやarabesqueといった単語に見られるものです。

つまりここでは、Picassoesqueは「ピカソを彷彿とさせる」の意味の形容詞になっています。後半のhardlyは部分否定で「殆ど~ない」なので、全体は次の様に訳すことができるでしょう。

≪翻訳例≫

彼の絵はピカソを彷彿とさせるもので、殆どの人にとってその価値の真偽は判断しかねる。

ちなみに、こうした単語を生み出すときには、わかりやすくするために接尾語とその直前の要素の間にハイフンを入れることがあります。Sean-athonや、Picasso-esqueといった具合ですね。

今日はこの辺で!

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