大学のキャンパスはそれだけで一つの街。留学生はもう珍しくありません。学生食堂で、講義の後で、あらゆる状況で話をするチャンスはあるのです。学友同士として話をしたくても、自分の学部や専攻、興味や将来の夢を英語でどうやって語ればいいんだろう?話しかけるきっかけはどうすれば……大学構内でありがちな戸惑いを少しでも払拭し自然な会話を身に付けてみましょう。そして自分の世界を英語で広げていきましょう。
気になる留学生にまず自己紹介!講義室や学部を英語で表現しよう!
留学生が自分の受講している講義室にいることに気づいた純。日本語がまだ不得手そうで、何か助けてあげたい。それをきっかけに友だちになって、自分の英語力も自然にブラッシュアップしたい。取りあえず、知っている英語で話しかけてみることにしました。
■【 実例 (Example ) 1 】At the lecture room (講義室で)
Alan: Yeah. I’m Alan. Alan Barton. (ああ、アランです。アラン・バートンと言います)
Jun: I noticed you took this lecture last week. (君がこの講義をとっていること、先週気づいたんですよ)
Alan: I’ve not talked with anyone in this university yet. I usually get lost my lecture room as I’ve not grasped the campus map entirely.(僕はまだ誰とも話したことがなくて。まだキャンパス全体もわかっていないから、よく講義室迷っちゃって)
Jun: I guess you are in the different department, aren’t you? (学部が違うのかな)
Alan: We are in the Department of Literature hall now. I’m in the Department of Global Studies.(ここは文学部ですよね。僕は国際関係学部だから)
▶キャンバスライフの英語
ここに挙げられた例だけでも、必要最低限の大学生活の英語の基礎が詰まっています。
▶知っている英語から
英語を知っていても使おうとしない日本人学生は多いものです。留学生がいたら、「当たって砕けろ」という気持ち、「何とか友人になりたい」という気持ちで話しかけてみましょう。
▶一旦話すことができたら?
留学生と少しでも話ができたらその日のうちに話した内容をメモ帳に書いておくというのも、「大学に必要な英語」を忘れない方法です。
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◆Grammar (文法)⇒ Words & Phrases
■took this lecture
take (=attend) a lecture 「講義を受ける(に出席する)」★大学での授業はclass(米)とも言いますが「講義」にはlecture が使われます。
▶I’ve not talked with anyone
「誰とも話したことがない」《 現在完了で「経験」を表す 》
★anyone → 否定文及び疑問文に使います。(例)Is anyone here? (誰かいない?)
▶get lost
(道などに)迷う
▶my lecture room
「自分の講義室」
▶as
because, for と同じく「~だから」理由を表す
▶grasp
「把握する」大きなもの全体を頭に入れる
(※)この場合、「キャンバス全体の地図」■the entire (=whole) campus map を把握していない、キャンバス全体、何がどこにあるかが頭に入っていない、という意味。→ entirely 「全体的に」
■department (=faculty)「学部」
「~学部」と名称が付くと、the Department of Literature 「文学部」のように、学部と専攻科の名称の冒頭を大文字で表現します。(※)このthe Department of Literature hall は「文学部の講義室(多人数ホール)」に今いる、という意味です。
■I’m in ⇒「~の学生」
この場合I’m a student of the Department of Global Studies. と表現しても同じです。
◆英語でお互いの専攻や将来の話をしてみよう!
Alan の英語は意外と聞き取りやすく、純は落ち着いて受け答えができました。そういう自分に少し自信が付き、二人で学生食堂で昼食を取ることにします。自分の英語が通じた相手と「普通に英語で会話」ができた。何だかワクワクしてきました。これからも彼と話がしたい。それで今度は専攻や将来の夢について語り合おうとします。
■【 実例 (Example ) 2 】At school cafeteria (学生食堂で)
Jun: Well, I’m in the Faculty of Science and Technology. But I took psychology of the general culture course. (えーと、理工学部。一般教養の心理学を取ったもんだから)
I’m already a junior, but lack the credits. (もう3回生なんだけど、単位が足りなくて)
Alan: Oh, I’m also a junior. I’m interested in psychology.(ああ、僕も3回生なんだ。僕は心理学に興味があるから)
Jun: I see. Do you major in psychology?(なるほどね。専攻は心理学?)
Alan: Yes, certainly. I major in social psychology. How about your case?(まあね。社会心理学。純は?)
Jun: IT information science. (IT情報学なんだ)
Alan: So you are good at the computer. (じゃあパソコンが得意なんだね)
Jun: Well, I still need to study it more, but I believe IT has a great possibility.(まあ、まだ勉強不足だけど、ITにはすごい可能性があると思うんだ)
Alan: Yeah, that’s right. I want to be a psychology counselor in the future.(そうだね。僕は将来は心理カウンセラーになりたくて)
I wish to help people who are distressed or in depression from many reasons. The world is full of such men. (悩んでいる人を助けたいんだよね。世の中、そういう人はたくさんいるから)
▶学部・専攻・科目・一般教養などの表現
どうしても戸惑ってしまう大学生には当たり前の表現。それは言葉を知らないからです。一旦覚えても次の日に忘れますが、やはり必要な表現は小さなメモ帳にまとめておきましょう。
▶会話の流れを作る
Well, I see, certainly, So などの表現で不自然にならない会話が続きます。
▶ある程度英語をメモに用意
気になる留学生と話をしたい場合、自分の学部や専攻、将来の夢などをメモにまとめておくというのも円滑な話題を続けるコツとなります。
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◆Grammar (文法)⇒ Words & Phrases
▶Faculty of Science and Technology
「理工学部」■「学部」を Department/ Faculty とも表現します。
▶psychology
「心理学」 ★psycho- 「心理・精神の~」(例)psychoanalysis 「精神分析(学)」
■the general culture course ⇒ 「一般教養課程」
a junior ⇒ 3年生、3回生 ■1回生:freshman / 2回生:sophomore / 3回生:junior / 4回生:senior
lack the credits ⇒ 「単位が足りない」 ■credit 「大学の履修単位」
(例)Brigid, you need ten more credits to graduate. (ブリジット、卒業までにもう10単位必要だね)
★apply for admission to 「~に入学志願する」⇔ graduate from the Tokyo University「東大を卒業する」
▶major in
「~を専攻している」/ Yes, certainly ⇒ 「まあね」=確かにね
▶social psychology
「社会心理学」★英語英米文学コース:course in English language and British and American literature / 政治学:political science / 社会学:sociology / 社会政治学:sociopolitical science
▶IT information science
「IT情報学」(※)「~学」との呼称の場合 science を使う場合があります。
▶How about your case?
「君の場合は?」→ 純が (I major in) を略して自分の専攻を応えています。
▶need to study it
「~を勉強しなければ」= have to study it
▶I believe IT has a great possibility.
I believe の後の後のthat を省略。【 that IT has~possibillity 】は 【 that 節 】と呼ばれ、believe の目的語の役割です。この表現をマスターすると言いたい内容が膨らみます。
▶I want to be a psychology counselor
「~になりたい」= I want (hope / wish) to be~
(※)自分が将来 ( in the future ) 何になりたいのか、を表現します。
なりたい職業を英語で表現できるようにしておきましょう。
▶people who are distressed or in depression from many reasons
(様々な理由から)苦しんだりうつ状態になっている人々 ★distress は「苦しめる」との他動詞なので「(自分が)苦しむ」場合は be~edとの受動態の表現になります。/ or in depression = or の後の (who are) を略した表現
▶The world is full of such men.
「世の中はそうした(苦しむ)人々で溢れている」★the world=世間、世の中
まとめ
大学生活にはそれなりの特有な表現があるため、それらを留学生やネイティブの先生と英語で話ができるように自分なりに必要表現をまとめておくことが肝心です。外国人と基本的な表現プラス学部や専攻、将来の夢まで語れるようになれば、あなたの英会話はもう挨拶だけで終わらない「楽しむ英会話」となることでしょう。