ここでは、いかにしてそのご両親の協力・賛成を得られるかについて考えていきたいと思います。今回は留学決定に向けて、というテーマで書き進めていますが、これは留学に限らず、何か大きなことを計画する時、誰か他の人に協力を依頼したい時にも使えると思います。

留学にご両親の賛成・協力は必要

留学するにあたってはご両親の協力・賛成は大事です。身も蓋もないことを言うと成人ならば、親が反対だろうと留学は出来るのでしょうが、せっかく行くのですし、ご両親が留学に好意的なことにこしたことはありません(笑)。また、勝手に行っている間に、留学先で万一自分になにかあった時や、逆に留学先で家族に何かあった時に、あなたが留学していることをご両親が知らなかったら連絡の面で困ったことになります。

階段作戦による攻略法

STEP1　それとなく意思表示する

階段の一段目は、それとなく意思表示をしてみて相手の反応を伺います。テレビで外国の様子が映っていたら「こんな国に留学したら、勉強になるだろうなー」と行ったり、「私の友達、□□に留学してきたんだって。いいなあ」と言ったり（これは事実でなくても構いません。）色んな言い方があると思います。それに対する反応を観察しましょう。

「あら、いいじゃない」と意外と好意的だったり、「なら、英語のテストでも何か受けたらどうだ」と結果を求められたり、話を聞いてくれなかったり、「ダメだダメだそんなの」と言われたりと反応は様々でしょうが、あくまで階段の一段目。相手の「子どもの留学」に対しての反応を見るだけですから、ここで否定的な意見や意向を聞いてしまったとしても、あんまり落ち込むことなく次の階段に進みましょう。
逆に意見が好意的だった人は、幸先良いスタートです。しかし、まだ留学が決定した訳ではありません。

STEP2　目的を明確化･強化する

階段の二段目は留学目的の明確化です。ここの焦点がボケていると、ご両親は「何だ、ただ、どこか旅行行きたいだけじゃないのか？」「甘ったれるのもいい加　減にしなさい。」とこうなってしまいます。第一、目的がはっきりしていないとあなた自身が留学経験を質の良い糧にできなくなってしまいますから、ここは説得のために、というよりは、ご自分のためにも頑張っていただきたいと思います。

まず、なぜ留学したいのか、現地でどんな体験をしたいのか、何を身につけて帰ってこようとしているのかを洗い出しましょう。語学の勉強なのか、現地でボランティアをしたいのか、働いてみたいのか、ダンスや音楽、美術など活動スキルを高めたいのか、牧場で暮らしてみたいのか、など、自分の目的をまずはっきりさせましょう。

そして、次にその明確にした目的を強化させましょう。例えば、語学の勉強は母国でも各種語学学校に通えば勉強できますよね。なぜ、留学までして勉強に行きたいのか。なぜ、外国まで行ってダンスを練習したいのか。その理由を考えましょう。「確かにそうかもしれないけれど、周りが意識の高い外国人という環境の中で、短い期間で自分の能力を伸ばして英語に対しての意識を高めたい。」「将来、ダンサーになりたいから本場のスタイルを今吸収して刺激にしたい。」など、海外に行くことならではで得られる経験や環境、また、自分の将来の夢や目標と絡めて考えると目的を強化しやすくなると思います。

STEP3　徹底的に調べて計画を立てる

目標が定まり、強固なものになったら、いよいよ具体的なものにしていきます。留学にかかる費用を各社に見積もってもらったり、大学の留学制度を調べてみたりという費用面の調査や、留学先の治安や滞在場所、サポート体制など安全面の調査、現地の学校に通ったり働いたりする場合はどこにするのか・その理由はなぜなのかという環境面の調査など、調べることはたくさんあります。信頼できる留学サポート会社の人に話を聞いてもらったり、パンフレットを読み込んだり、経験者にアドバイスをもらったりしてたくさん情報を得ていきましょう。

また、留学から帰ってきたらどう変わる・何をしてその経験を還元していくのかという将来生産性面についてもまとめられるといいと思います。特に、費用面ではその金額をどうやって捻出するのか計画を立てるといいと思います。全額自分で稼ぐのか、半額ないし渡航費用だけはご両親に出してもらうのか、全額お願いするのか、きちんと考える必要があります。他に何を調べればよいか分からなくなったときは、「自分が親だったら、海外に行った子どもの何を心配するか」「何にツッコミをいれるだろうか」と親の立場を想定すると考えやすいです。

STEP4　プレゼンテーションして伝える

いよいよ最後の階段です。自分の留学したい、という熱い気持ちを冷静に伝えましょう。しっかり調べたのに、それでも相手にしてくれないこともあるかもしれません。その時は、決して声を荒げることなく、「そういう気持ちも分かる。」と一旦親御さんの感情を受け止める、オトナな対応を見せましょう。(笑)　あなたがSTEP1から3を一生懸命こなしていれば、きっとその努力は何かの形で報われるのではないでしょうか。

階段作戦応用編

階段作戦には実は応用編があります。それは、上記の一段目をとばして、二段目・三段目を完全な水面下で行い、四段目に大きなインパクトを与えるということです。ただ、この四段目に大きなインパクトを与えるということの引き換えに、二段目・三段目で練る計画や調査はより綿密なものにしなければなりませんし、いきなりお願いすることになるのですから、資金面の話を含めて大体を自分が負担し、自己責任で行動することが前提であることが筋でしょう。ハイリスク・ハイリターンの作戦なので大きな声でオススメとは言えないのですが、ご両親の性格や価値観によってはこちらの方が協力を得やすい場合があります。自分のご両親が基本編と応用編のどちらに効果を示すだろうか、と推測することも大切です。

まとめ

最初に述べましたが、この方法は留学に限らず、何か大きなことに対して相手に協力を依頼する際に有効だと思います。お仕事で売り込むことにも使えるでしょうし、場合によっては恋愛に使えると思います。いかにして好きな人に告白するか、とかになるのでしょうね。要は、いかにして自分の熱意を冷静に売り込めるか・アピールできるか、ということがポイントになります。ただしくれぐれも、悪用することなのないようにお願いします(笑)。皆様がご両親の協力・賛成を受けて、わだかまりなく留学できることを心から祈っています。