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映画「ソーシャル・ネットワーク」から学ぶ英文法|「純粋な悪などいない」を表現する

ソーシャル・ネットワーク全編に通じて、色々な問題が起こりますが、その問題の中心にいるのはいつもマークです。そしてついに彼は、友人や、一緒に仕事をするはずだった人物達からも法的に訴えられてしまうのです。

映画 ソーシャル・ネットワーク

この和解を行っているシーンが映画の中に何度か挿入されるのですが、その時にマークが言うのが、今日のフレーズです。

[Today’s phrase]

– Then I guess that would be the first time somebody’s lied under oath.

そのままの意味を捉えるのなら、「それなら、それが誰かが嘘は言わないという誓いを初めて破った瞬間ってことになりますね」ですが、このフレーズが出てきた文脈を考えてみましょう。

このフレーズは、「真実のみを述べることを宣言して和解について話し合っている」はずの時にマークが言った言葉です。簡単に言えば、「嘘をついたんでしょう」とマークが非難しているところなのですが、それを敢えて皮肉交じりに返しているところにマークの知性が現れるフレーズでもあります。

つまり、マークが言ったのは、「じゃあ、その人が嘘をついたんでしょう。宣言なんてしたって、誰だって嘘くらいつきますよ」ということ。それを、遠回しに、かつ最も攻撃的なニュアンスをもって伝えたのが、「じゃあ、それが宣言しているにも関わらず嘘をついた初めての事例ってことですね」というこのフレーズなのです。

以前にも取り上げましたが、この様に、遠回しに何かが表現されることは多く、皮肉が入っている表現は特に多く存在します。こうした表現の意味を瞬間的に理解するには英語以外の機知や頭の回転の速さも必要になるため、英語にかぎらず、言語には様々な表現があることを念頭に置いておきたいものです。

[Today’s question]

次の文章の意味を考えてみましょう。

– Villains have their righteousness.

直訳すれば、「悪党には彼らの正義がある」です。そして、それでも間違いではありません。しかし、もう少し踏み込んで考えてみましょう。通常、少なくとも一般的には、悪党と正義は、通常は対立して示される概念です。それが、「悪党には彼らの正義がある」とは、少し説明不足である気がしてきます。

対立するはずの概念が同時に、しかもほぼ同列に扱われていることから、このフレーズは、「純粋な悪など居ない」という意味にもなることがわかるでしょう。その他、「正義と悪を分けることはできない」などといったものでも、意訳としては良いものです。

ただ実際には、このセンテンスを発した人間がどういうつもりでこれを言ったのかは分かりません。スピーカーは別に正義と悪を対立させて考えて居なかった可能性もあります。

答えを知るには直接的に意味を確認するしかないのですが、実際にそれが叶うことは稀で、せいぜいがテストの答え合わせのとき程度でしょう。これも以前の復習になりますが、こういう時にこそ、自分の英語力にどれだけ自信があるかが大事なのですね。

今日はこの辺で!

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