パイレーツ・オブ・カリビアンに出演しているジョニーデップの英語は、典型的なイギリス英語であることにお気づきでしょうか。彼がcan’tというとき、その発音が「カント」に近いと気づいた方は、既にイギリス英語とアメリカ英語を区別し始めているといえるでしょう。
イギリス英語とアメリカ英語の違いは、語彙やフレーズ、用法などもあげられるのですが、特にブロークン(砕けた)表現を使うかどうか、という点にも注目されます。例えば、イギリス英語ではgonnaやwannaなどといった表現はあまり好まれないのです。
(出典:Walt Disney Pictures)
そして、上流階級に属する人々や、エリートの人々は、難易度が高い単語を用いることがステータスになっているような面もあるそうで、もしかすると、こんな表現も使われるかもしれません。
[Today’s phrase]
エリザベスは海賊にとらわれてしまいますが、その時、海賊の「掟」に従って船長に会わせるように要求します。その後、船長にとある要求をしますが、その掟の条文が長かったことを茶化して、船長はこう答えるのです。
こう言われてきょとんとするエリザベスに対し、船長は「答えはNOという意味だ」と言うように、disinclinedは「気が乗らない」、acquiesceは自動詞で「従う・黙従する・(嫌々ながら)受諾する」などの意味で、直訳すると「貴方の提案には黙従しかねる気持ちだ」といったような意味になります。
特にイギリス英語に多いのですが、このように、直接的な意味を避けるような表現が成されることがあります。直接的には否定していないものの、表現を合わせると否定の意味になったり、逆の意味になったり、といったような場合です。英語の上級者を目指すのであれば、こういった表現にも慣れていきましょう。
[Today’s question]
次の文章の意味を考えましょう。
sartoriallyは「服装に関して」といった意味の副詞です。
challengedをさておいて直訳すれば、「彼は服装に関してchallengedである」という意味になります。challengedの意味が重要になりますが、ここでのchallengedは「疑う・チャレンジする」の受動態であると考えられます。I challenged his opinion.と言えば、「私は彼の意見について反論した」などの意味になることを押さえておきましょう。
≪翻訳例≫
そうなると、sartorially challengedは「服装に関して反論される・服装に関して疑問の余地がある・服装に関してチャレンジの余地がある」などの意味であることになり、「彼は服装に関して努力を要する」というのが直訳となるでしょう。
つまり簡単に言えば、「彼の格好はダサい」の意味です。副詞に加えてchallengedと言えば、【副詞】について努力を要する、の意味になるので、色々と派生もきくでしょう。例えばspiritually challengedと言えば、心構えが充分ではない、未熟な、子供っぽい、などの意味になることもわかりますね。
今日はこの辺で!