ビリーが出会った、マネーボール理論。それは、数値により選手を評価し、合理的にチームを勝利へと導いていく理論でした。多くの人びとに、「野球は人と人とのゲームであり、数値ではない」と反論されるビリーでしたが、彼は自分のチームを勝利へと導くために、この理論に全てをかけることにしたのです。
(出典:Sony Pictures Entertainment Japan lnc.)
果たして、ビリーとマネーボール理論の運命とは。その結末は映画に譲るとして、映画「マネー・ボール」から最後の引用です。
[Today’s phrase]
次のフレーズを訳してみましょう。
このフレーズは、マネーボール理論を初めて組み立てたその人に向けて、ある人物が口にしたものです。意味としては、「彼に向けて帽子を脱ぎます」の意味ですが、日本語でも「脱帽」の意味がある通り、敬意を表すために帽子を取るところから、「敬意を払う」の意味になります。
ただ、このフレーズの直後にIt won’t work.と言っており、「無駄な努力、ご苦労様」といったようなニュアンスになっています。
重要なこととして、つまり「帽子をとる」という表現がそのまま敬意を払うことに繋がっているので、take one’s hatやput one’s hat offなども似たような意味になります。そして当然ながら、実際には帽子をかぶっていなくてもこの表現を使うことができます。
このように、イディオムというよりも所作などに起因する表現は多くのバリエーションが生まれやすいので、重点的におさえておきましょう。
[Today’s question]
次の文章の意味を考えてみましょう。
in one’s turnは、「~の手番で」という意味です。チェスなどの、行動の順番のことですね。重要なのは、keep my face straightの部分ですが、顔をまっすぐにしておく、というところから、大体の意味が分かるのではないでしょうか。
次のように訳す事ができます。
≪翻訳例≫
keep one’s face straightで、「真面目な顔を保つ、笑わないようにする」の意味です。これは、思い通りに相手が動いていて勝ちが殆ど確定していた状態で、狙いを悟られないために難しい顔をし続けた、といったような意味なのですが、前後の文脈が無いと分かりにくいかもしれません。
改めて、前後の文脈が特定のセンテンスの意味を大きく左右するということに注意しながら英語を読んでいきましょう。
今日はこの辺で!