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映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」から学ぶ英文法|イディオム「what do you say to」を使いこなす

引き続き、パイレーツ・オブ・カリビアンで英語を勉強していきましょう。ジャック・スパロウがはじめて登場した時、港にボートを停めようとするのですが、港を任されている男は「ボートを停めておきたいなら、1シリングと名前が必要だ」とジャックに言います。シリングとは銀貨のことです。

パイレーツオブカリビアン
(出典:Walt Disney Pictures)

ジャックは少し考えてから、3シリングを彼に渡しながら、次のように言います。

[Today’s phrase]

– What do you say to three shillings, and we forget the name?

口語的で、文法を崩した表現になっていますが、こういう表現に慣れていくことが英語をナチュラルに使いこなす上で重要です。直訳的な意味としては、「3シリングで、名前を忘れるというのはどうかな?」といったようなものになります。

ここで重要なのは、what do you say to… というイディオムです。これは、「~というのはどうですか」という提案の表現で、toのあとに来るのは名詞であることに注意しましょう。ここでは、three shillingsがその目的語となっていることがわかりますね。ちなみに、ほぼ同様の表現として、How about…があります。

フレーズの前半だけでは、「3シリングはどうです?」となりますが、このあとにand we forget the nameが続くことで、「3シリングで名前を忘れるというのはどうかな?」という意味になっていることがわかりますが、そうするとandによってwe forget the nameもまた、what do you say toの目的語と言えるかもしれません。前回、that節によって文章を名詞句として扱える例を説明しましたが、このように文章がそのまま名詞句になるのは珍しいことではありません。

we forget the nameについては、「名前が必要だ」という男に対し、「名前は忘れよう」と提案していることを考えれば、「名前は聞くな」と言っていることがわかるので、意味合いとしては「3シリングやるから、名前は聞くな」となるでしょう。このような婉曲的な表現が出てくると、いよいよ上級者の英語学習ですね。

[Today’s question]

次の文章を訳してみましょう。

– What do you say to a buck or death?

まず重要なのは、buckというのが1ドルのことを示す、ということです。これはアメリカの口語表現ですので、覚えておきましょう。そうなると場面としては、口封じをしているようなシチュエーションと言えるでしょう。

翻訳例

1ドル貰うのと死ぬのとどっちか選べ。

ただ、ここでは口封じに対して1ドルというのはちょっと安いことから、ほとんど暴力的に言うことを聞かせているような感じもします。そのため、映画の字幕など、文字数や表示時間が限られている場合は、「ここで死ぬか?」といったように訳される可能性もあるでしょう。奥が深いですね。

今日はこの辺で!

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