パイレーツ・オブ・カリビアンの序盤、重要人物となるがまだ子どもだった頃、船に乗せてもらうシーンがあります。海賊の歌を歌う彼女に、周りの大人達は「海賊がやってくるからやめなさい」と言うのですが、そこで彼女が返す言葉をご紹介しましょう。
(出典:Walt Disney Pictures)
[Today’s phrase]
短い文章ですが、ポイントが二つあります。一つは、I think…という表現、二つ目は、it is … to doの表現です。
まずはI think…ですが、これは「私は~だと思う」という意味になります。thinkの後には、that節というものが続き、thatに続けて普通の文章を入れることができます。
例えば、「私は彼が正しいと思う」と言いたいときは、I thinkとhe is rightをthatで繋ぐようにして、I think that he is right.とすれば良い、ということです。実際にはthatで繋ぐというよりも、「ある文章の前にthatをつけると、その文章全体が名詞句として扱える」としたほうが、ここではより正確な説明です。この場合、thinkの目的語として名詞を持ってきたいところですが、そこにthat節として名詞化したhe is rightという文章を持ってきた、ということですね。
ただ、thinkの後に文章が続くのはよくあることなので、実際にはthinkのあとのthatは省略されることが多いのです。今回も省略されていますね。ちなみにthat節が名詞句として扱えるということは、次のような文章も正しいことになります。
ここでは、主語がthat you are right、目的語がthat I am wrong、動詞はmean(~を意味している)です。文法的には正しいのですが、しかし文章として分かりにくい。そこで役立つのが、仮主語のitなのです。
後半のit is rather exciting to meet a pirateの部分について考えてみましょう。これの意味は「海賊と会うなんて、むしろワクワクしちゃう」といったところ(rather = むしろ、exciting = ワクワクする・エキサイティングな)ですが、ここで用いられているのが仮主語のitです。
it is A to doで、doするのはAである、という意味になります。例えば「100万円貯めるなんて無理だ」は、saveに自動詞・他動詞として「貯金する」の意味があるため、「不可能」の意味であるimpossibleを用いて、It is impossible to save a million yen.となります。
この文章は、to不定詞というものを用いていて、To save a million yen is impossible.としても文法的にはOKです。しかし、主語の部分が説明臭くなってしまうため、先にitでまとめて代弁する、これが仮主語のitと呼ばれるものなのです。
仮主語のitが代弁できるのは、to不定詞の他、that節にも対応しています。それを踏まえて、今日の問題に挑んでみましょう。
[Today’s question]
That you are right means that I am wrong. を仮主語のitを用いた表現に書き換えてみましょう。まずは、that you are rightを最後の方へと持ってきます。すると、次のようになりますね。
means that I am wrong that you are right.
そして、空欄になってしまった主語の部分に、itを入れます。
たったこれだけで、すっきりとした文章になるのです。英語を使いこなす上で非常に重要なので、ぜひ慣れていきましょう。
今日はこの辺で!