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文法(Grammar)

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映画「ガタカ」から学ぶ英文法|英語は同じ表現を繰り返すのを嫌う

いよいよ暖かさが訪れようとしているような気もしてきますが、こうなると新学期など、これから新しい生活が始まろうとしている人も多いことでしょう。そんな貴方に向けて、少し人生について考えさせられる映画から、色々な表現を学びましょう。

今回紹介するガタカ(GATTACA)という映画では、DNAによって人間の一生が最初から決定づけられているという世界で、それでも遺伝子上不利を抱えている主人公が自分の人生を切り開こうとする物語です。

GATTACA 主人公(出典:Sony Pictures Entertainment Japan lnc.)

人の一生は予め定められているのか、それとも自分で切り開くものなのか。誰もが一度は考えたことのある疑問に対し、この映画は心強い考え方を授けてくれるでしょう。

当然ながら、そうした映画の中には色々な名言が含まれています。映画を見ながら英語を勉強する楽しみの一つとして、自分なりの名言を探すのも面白いでしょう。

[Today’s phrase]

– I not only think that we will tamper with Mother Nature. I think Mother wants us to.

映画の冒頭で二つの表現が引用されていますが、そのうちの一つがこの言葉です。Willard Gaylinという人物の言葉で、その意味は「私達が神に干渉しようとしているだけではない。私は、神もそれを望んでいるのだと思う」といったところでしょう。

Mother Natureという表現は、直訳的には「母なる大自然」といったところですが、ここでは拡大解釈して神とした方がしっくりくるということ、tamper withで「~に干渉する」という意味であるということも重要ですが、今回は文法的な面に着目してみましょう。

第二文にて、I think Mother wants us to.となっており、本来であればwant to doのようにtoのあとには不定詞が必要のはずですが、それがないことにお気づきでしょうか。果たして、これはどういうことなのか。

それは、既に一度、we will tamper with Mother Natureといったように、wantの内容が明らかに言及されているからです。本来、このwant toのあとには、tamper with Mother Natureが続くはずですが、その繰り返しを避けるためにtoで打ち止めになっているのです。

このように、英語では同じ表現を繰り返すのを嫌う傾向があることに注目することができれば、よりネイティブらしい表現を使うことができるようになります。

[Today’s question]

次の文章で、toのあとにくる内容を考えて訳してみましょう。

– I thought you disliked a gamble, but do you like to?

文章はちょうどカンマで分けることが出来ます。そして、どうやらgambleというのが非常に重要な内容であることは間違いありません。そうなると、toのあとに続くのはgambleでしょう。

ここで重要なのは、dislikeの目的語は名詞としてのgambleであり、like toに続くgambleは動詞の原型(不定詞)であるということです。文章の意味を取る上ではさほど重要ではないものの、こうした文法の正しい理解は決して無駄ではありません。

《翻訳例》

ギャンブルは嫌いだと思っていたけれど、お好きでしたか?

翻訳例では、「お好きでしたか」といったように過去形のようになっていますが、原文では現在形になっている点に注意しましょう。日本語では過去形で言いながら現在の状態を尋ねることがあるので、こういった訳になることもままあります。「ご存知でしたか?」をDo you know that? と訳すなどもその一例ですね。

今日はこの辺で!

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