語学力が身につくまでの道のりは実に長く、地道な努力が必要です。これからフィリピンへ語学留学しようというモチベーションの高い方は最初にある程度の困難は予測していることでしょう。実際にその道のりの途中には大きな壁がいくつも存在します。留学中はできれば失敗したくないでしょうし、恥もかきたくない気持ちはわかりますがそのようなこだわりは留学期間の早い段階で捨ててしまわなければなりません。
それほどまでに誰もがその壁にぶつかることは確実で、しかも語学力アップのためには必ず乗り越えるべきものであります。自信を持って英語を話せるその日まで、幾多の困難を克服し続けてこそ、目標のステージにたどりつくことができます。「自分だけがなぜこんなことに…」と不安に思うことはありません。留学経験者ならだれもがぶち当たるその壁を乗り越えるポイントがあります。ここでは「語学力の成長を妨げる壁」を整理して、その乗り越え方をご紹介していきます。
■語学力の成長を妨げる壁とは
留学生にとって「語学力の成長を妨げる4つの壁」。
- 壁その1.自分の英語が相手に通じない
- ・相手に「え?」と聞き返される
・こちらが話していても、相手の反応がなく不安になる - 壁その2.相手の英語が聞き取れない
- ・わからなくても聞き返しづらい
・わかったふりをしてその場をごまかしてしまう - 壁その3.伝えたいことを英語で表現できない
- ・会話の流れを理解できず、ニュアンスがわからない。
・単語が浮かばない - 壁その4.モチベーションが続かない
- ・成長を実感できない
・他人と比べてしまう
これらの障害によって心が折れてしまわないために、それぞれの壁の乗り越え方をご紹介します。その方法自体は決して難しいことではありません。すべて基本的なことの積み重ねになります。
■壁その1の乗り越え方
英語が通じない時は、まず大きな声で言ってみる
英語を聞き返されると、つい発音か文法に間違いがあると思ってしまいがちです。しかし、意外なことに聞き返されるのはただ“聞こえていない”ことが理由の場合が多いのです。試しに大きな声で同じことを話してみてください。すんなりと通じることがあるものです。
英語を話し始めた初期には、完璧な表現を求めるよりも、まず恥じらいを捨てて自信を持って伝えることです。コミュニケーションの基本である「大きな声で話すこと」を心掛けましょう。
外国人は話の途中に「うんうん」「へぇ~」「なるほど」といった相槌を打つ習慣がありません。留学当初は相手の無反応さに驚くかもしれませんが、話を聞いていないわけではなく文化の違いによるものです。黙ってしっかり話を聞いてくれていると思って、そのまま自信を持って話を続けて問題ありません。
■壁その2の乗り越え方
聞き取れない時は、必ずその場で聞き返す習慣を
相手の話を聞きとれない…。これは留学初日から間違いなく起こるでしょう。大切なことは「わかったふりをしない」ことです。その場の雰囲気に流されてしまったり、聞き返すのを遠慮してしまい、ついわかったふりをしてしまうことは、日本人同士の会話の中でもついやってしまいがちです。
しかし、この行為はその場しのぎでしかありません。相手には聞き返すことよりも、わかったふりをすることの方が失礼なことだと思ってください。それができなければ、そもそもなぜ留学に来たのかを思い出しましょう。わからないことを放置する悪いクセをつけると、英語力は伸びません。
聞き返し方の表現例を以下に記しますので、ぜひ活用してみてください。
<聞き返し方の表現例>
“Could you say that again?” もう一度言っていただけますか?(丁寧な表現)
“I didn’t get it.” 意味がわからなかった。(カジュアルな表現)
■壁その3の乗り越え方
うまく伝えられなかったことはメモに取って、その日のうちに調べる
相手の話を聞きとれても、それに返す言葉を英語で表現できない…。これはある意味で語学習得プロセスに特有の壁かもしれません。日本語であれば、何らかの言葉が口をついて出るものですが、英語では一言も返せず黙り込んでしまうこともしばしばです。
この壁への乗り越え方も実にシンプルで、話せなかった言葉やシーンをメモに取って次から話せるように勉強することです。生活の中でメモを取るのは案外難しいことですが、留学生活においてメモの習慣付けは実に重要です。「話せなかったこと」をしっかりと記録として残し、その克服を重ねることこそが成長のチャンスだと考えてください。日々のメモの継続により、今日の失敗を明日の当たり前に変えていきましょう。
■壁その4の乗り越え方
モチベーションは自分で保つ。周りに流されずプロセスを楽しむ余裕をもつ
自分より流暢に英語を話す周りの留学生を見ていると、つい自信をなくしてしまうものです。「あんな風に話せるのはまだまだ先かな…」とモチベーションが下がることもあるでしょう。はじめにも書きましたが、語学の習得は長い道のりですので、時にはそのようなことがあって当然です。しかし、ここで歩みを止めてはいけません。語学の勉強は、毎日が本番であり成長の場です。生まれた環境も勉強した時間も異なる他者と比較して一喜一憂することなく、目標に少しでも近づいていくプロセスを楽しむ余裕を持つことが大切です。
そのようにいうとストイックな取り組みを求めているようですが、決してそうではありません。目標を見失わずにやるべきことを楽しみながらやろうという姿勢を持つことこそが重要です。留学をすることを決めたのは他でもない自分自身。
自分以外のだれかがモチベーションを管理してくれるわけではありません。先に述べた「壁その3の乗り越え方」にもあるように、日々のメモとその日できなかったことへの対応を重ねることで、成長を実感することはできるはずです。周りに流されず、常に留学目的に立ち返りながら、モチベーションを保ち続けましょう。
■壁を越えたその先にある勲章
留学でぶち当たる壁はとても高いようですが、自らの取り組み方によって、それを乗り越える階段を作ることはできます。棒高跳びのように一発で乗り越える方法はありませんが、階段の作り方はだれにでもできるシンプルな方法です。
その壁を越えた先には、新たな景色が待っています。
その景色を見る日がくればすべての努力は勲章となり人生の糧になります。
どうか壁に打ちのめされずに語学力アップの道のりを楽しんでください。