留学に関心を持った方は、資料請求したり、説明会に参加したりと様々な方法で情報収集をされると思います。もちろん、関係者はプラスになることを中心に話すことが多いのは留学に限ったことではありませんね。
大抵の方は、ここで第三者の意見が欲しくなり、各学校の口コミや経験者のブログを検索されることでしょう。本記事では、そんな時にぜひ注意していただきたい事項をご案内したいと思います。
- 口コミは個人的な主観が大きく反映されている
- 口コミを書いた人物の背景も重要
- 人それぞれ物事に対する尺度が違う
- 感度の違いが口コミにもたらす影響
- 未経験者のアドバイスを参考にする際はご用心
- 噂やひとづての情報は疑ってかかるべし
■口コミは個人的な主観が大きく反映されている
≪口コミを書いた人物の背景も重要≫
これは留学に限ったことではありませんが、皆さんがどこかのホテルに宿泊された時、または、どこかのレストランを利用された後に、その経験についてブログを書いたり、情報ポータルサイトに口コミを投稿した経験をお持ちではないでしょうか。
そして、口コミを参考にすることもありますね。
学校の評価1つとっても、星を5つ付ける人もいれば、1つしか付けない方もいます。このような時は、星の数だけでなく、内容をしっかりと精査する必要があります。学校によっては、口コミを促進するようなキャンペーンを行っておらず、良い学校なのに少数の口コミしかない場合があります。
このように口コミの数が少ない場合は、特に気を付けて内容を確認していただきたいのです。なぜなら、データが多く集まれば、平均的な評価点が分かり、外れ値も見極めやすいですが、数が少ない場合、平均値の正確性は疑わしいものです。
そして、口コミを確認する際に気を付けるポイントとして、個人の主観が挙げられます。先にもご紹介した通り、口コミの数が多ければ、個人の主観が口コミに与える影響は小さいです。しかし、口コミの数が少ない場合、この個人の主観が大きな影響を持つことがあります。
仮に学校の口コミが1件しかないとします。その口コミに「講師が不愛想で、食事も口に合わず、休日はレジャーも楽しめなかった。」と紹介されていたとします。せっかく気に入った学校を見つけたのに、不安な気持ちを抱いてしまいますね。
しかし、内容についてよく考えてみると、すべての講師が不愛想であったわけではありません、また、生徒側の態度には問題はなかったのでしょうか。食事に関しても、どのように口に合わなかったのか、具体的な記載がありません。レジャーを楽しめなかったのは、予算の為、天候の為、それともコミュニケーションが苦手でうまく友達を作れなかった為でしょうか。
このように情報量が限られている時は、しっかりと内容を分析したり、他のサイトの口コミを探したり、経験者のブログを検索してみるとよいでしょう。せっかく、気に入った学校が見つかったのに、一部の曖昧な口コミ1つで諦めてしまうのは非常に勿体ないことです。
もう1つ、ブログを参考にする際の簡単な注意点について少しだけご紹介します。
留学生の中にも情報発信を得意とされる方や趣味でブログをされている方が、さまざまな視点で、日々情報を発信しています。もちろん、情報発信者は、発信することだけで満足を得る方は少なく、何かしらの反応が喜びに変わるものです。
中には、反応を期待するあまりに、事実より誇張した内容で留学の経験であったり、学校を紹介されている方がいるということ、これが注意すべきポイントです。
■人それぞれ物事に対する尺度が違う
≪感度の違いが口コミにもたらす影響≫
暑いと寒い、濃いと薄い、遠いと近い、それぞれ日常でよく使う言葉ですが、詳細な情報を伝えるには大雑把な言葉になるかもしれません。
多くの方がご存知の通り、フィリピンは年中気候が一定している地域です。情報元によって多少ことなりますが、気温は概ね26~30℃前後でしょう。しかし、湿度が高い割には、日本の都市部と比べると涼しく感じられる方が多いでしょう。
なぜ、突然このような話題を出すのか、この後の話に続きます。
確かに、先にご紹介した通り、フィリピンでは年中20℃後半の気温が続きます。しかし、日本の夏の暑さほど、過ごしにくさを感じない方もいます。また夜間はしっかりと気温が下がってくれるので、人によっては冷房を使わないという方もいます。
フィリピンでの生活について調べる時、気温ひとつ取っても、単純に暑かったと聞くのと、状況を詳細に説明している解説を読むのとでは、随分と印象が違うものです。そもそも、暑がりの方、寒がりの方がいて、それぞれの感じ方が違うという点も忘れてはいけません。
料理についても同様です。味が濃かったという口コミをよく見かけます。ただ、バイキング形式を取っている学校も少なくなく、そもそもヘルシーな料理に手を伸ばしていたかどうかも簡易な情報だけではわかりません。若い男性の学生はしっかりと食べたい為、肉系の料理を中心に食べていたかもしれません。料理に対する好みは十人十色、育ってきた環境によって、濃い味、薄い味の好みも分かれます。口コミを参考にする際は、その具体性に注意してください。
最後に、学校が寮から遠かったという口コミも同様に注意が必要です。同じフィリピンに留学している友人がいて、学校と寮が併設されている環境で過ごした学生の話を聞くと、そうでない環境で学んでいた学生は、例え、徒歩5分、10分でも面倒に感じてしまい、これが学校まで遠いという印象を作り上げてしまうことがあります。
これらの情報は口コミだけを参考にせず、自身で学校や地域の情報を調べることによって、疑問が解決することがあります。不確かな情報に振り回されないように、自身で確認すべきポイントと経験者の意見を参考にするポイントを分けて検討しましょう。
■未経験者のアドバイスを参考にする際はご用心
≪噂やひとづての情報は疑ってかかるべし≫
口コミやブログの中で最も厄介な存在になるのが、未経験者の方が発信する情報です。ひとづてで聞いた情報を元に作成された記事の内容は、信憑性もなく、留学検討中の判断材料として、あまり役に立つことはないでしょう。
また、オンラインに限らず、身の回りの方に相談される場合は、極力、経験者や専門的な知識を持った方にしましょう。理由は、先にご紹介した内容と同じく、未経験者に相談しても欲しい情報が得られることは少なく、むしろ不安を煽られることの方が多いからです。
もちろん、経験者のアドバイスがすべて正しいかといえば、その限りではありません。しかしながら、相手が嘘をついていない限り、その内容をどのように受け止めるかは自分次第になります。
すべての方が良い経験をしたとは限りません。目標を達成できた方もいれば、そうでなかった方もいます。この時、大切なのが客観的な立場で相手の話を聞くことです。友人、家族だから、また学校の講師だからという点は省きましょう。なぜ、その相手がよい留学経験が出来たのか、または、なぜ出来なかったのか。考えて欲しいのも、参考にして欲しいのもこの部分です。この「なぜ」を繰り返していく度に、自身がどうするべきか、それが、どんどんと明確になっていきます。
■この記事のまとめ
新しいことにチャレンジしたいという好奇心と不安は表裏一体です。そんな中、留学を実現させた方もいれば、途中で断念された方もいます。それぞれの方がしっかりと情報収集をし、考えた上で出した結論であれば、それがその方の答えだと思います。
この記事で最もお伝えしたかったのは、その判断材料を間違えないで欲しいということです。留学を断念した方の中には、アドバイスを受ける相手を間違えてしまったという方や、誤った情報に翻弄されてしまったという方もいます。
人によっては1度の留学が人生の大きな分岐点になる方もいます。その大事な分岐点に差し掛かった時に必要なのは、正しい判断材料と自身の意思だと思います。ここで迷いのない選択が出来る状況を作ることが大切です。