海外留学を考える際にインターンシップ制度を検討する方もいます。
これまでのお問合せでは、学生さんよりも転職を機に留学をされる方が多く検討されているように思います。
費用面だけでなく、海外での就労経験にも注目されているようです。
今回は、そんなインターンシップ制度についてご紹介したいと思います。
≪本記事でご紹介する内容≫
- 留学インターンシップ制度の条件
- インターンシップ制度は誰でも参加できるわけではない。
- 留学インターンシップ制度は学費・食費・宿泊費が無料
- 留学期間や条件によっては、高いコストパフォーマンスを発揮。
- 英語学習と合わせて海外での就労経験が積める
- 海外留学と海外就労という大きな経験が一度に実現できる。
- 本記事のまとめ
- 自分に合った方法かどうかを見極めよう!
■留学インターンシップの条件
≪インターンシップ制度は誰でも参加できるわけではない≫
ワーキングホリデーの場合は、年齢や就労期間に具体的な制限が設けられていますね。
しかし、インターンシップの場合は、その制限が具体的でなく、30歳を超えていても受け入れる側の規定や仕事の内容によって実現が可能となっています。
事実、フィリピンの語学学校では40歳を超える方が現地のホテルで働いたり、30代の方がコールセンターで働いているという実績があります。
≪各国のワーキングホリデー条件一覧≫
国名 | 年齢制限 | 就労期間 | 就学期間 |
---|---|---|---|
18~30歳 ※申請時の年齢 |
4ヶ月まで ※同一雇用主の元では6ヶ月まで |
4ヶ月まで | |
18~30歳 ※申請時の年齢 |
無制限 | 6ヶ月まで | |
18~30歳 | 無制限 ※フルタイム時は滞在期間の半分 |
無制限 ※フルタイム時は6ヶ月 |
|
18~25歳 ※申請時の年齢 |
無制限 ※1週間に39時間まで |
無期限 |
≪インターンシップ制度の選考基準≫
国内にある企業と同様にこれが出来れば必ず採用します というような具体的な基準が明示されていることは少ないと思います。
一般的には、まずキャリアシートのチェックが行われ、現在、募集されているお仕事の内容と応募者のスキルがマッチしているか審査されます。ここはタイミングも重要になるところで、スキルがあっても自身にあった業種で募集がかかっていない場合は見送りになることもあります。通常の留学同様に早めに活動を開始されることをお勧めします。
次に行われるのがビザ申請取得の可能性です。
日本人の場合、ここが問題になる方は少ないとは思いますが、当然、能力があっても入国して一定の期間滞在できる権利が与えられなければ、インターンシップ制度を利用することが出来ません。
その他、こ れは実際に仕事をする場所での役割次第ですが、外国人が仕事の相手になる場合、当然ある程度の語学力が必要になることがあります。例えば、レストランで皿洗いのアルバイトをするのと、ホールでお客様から注文を受ける、この2つを思い浮かべてみるとよいでしょう。
前者の方は簡単な語学力があれば対応できそうですが、後者の場合は、ある程度の英語が話せてコミュニケーションが取れないと
実現は難しそうですよね。こんなこともあって、対象となる仕事次第では、電話やスカイプを通じて簡単な会話力のチェックを行うことがあります。
≪英語が話せないとインターンシップ制度は利用できないのか?≫
先に述べた条件の部分で理解された方も多いと思いますが、インターンシップ制度を利用するのに英語力が必要かどうかは、業種次第となります。海外でも日本人を相手にビジネスを展開されている企業もあります。そんな環境が就業先になれば、英語力がなくても仕事をすることは可能です。
一例だとホテルや語学学校での日本人サポートがそれに該当します。
■留学インターンシップ制度は学費・食費・宿泊費が無料
≪留学期間や条件によっては、高いコストパフォーマンスを発揮≫
学校によっても異なりますが、インターンシップ生は基本的に生徒と同様に寮やホテルに宿泊しながら、学校に通うことになります。大抵の学校では食事と寮費を含めて留学費用としている為、この部分が無料になります。
では、具体的に一般の生徒とどのような点がことなるのか?
それは、1日の授業時間に上限があるとい うところです。
仕事をしながら学校へ通うことになる為、1日に6時間や8時間といった、ハードな学習コースは選べないということになります。但し、インターンシップ制度以外のところで、学校が設けているオプショナルの追加レッスンを実費で申し込めば、学習時間を増やすことは可能です。このあたりは、自信の体と相談しながら決めるとよいでしょう。
≪インターシップ制度で無料にならないもの≫
インターンシップ制度にお申し込みを検討されている方の中には、全ての費用が無料になると思っている方もいるようです。しかし、無料になるのは、学費と食費と宿泊費のみです。現地へ渡航する際、帰国する際に必要な往復航空券やビザ、就学許可証(SSP)、そ して、海外旅行保険への加入も必要です。
また、現地に長期間滞在すると留学生や現地で働く日本人との交流も増えて、一緒に食事やリゾートを楽しむこともあるでしょう、その為の費用はすべて実費になります。
【インターンシップ制度に必要な実費一例】
・往復航空券(50,000円前後 ※セブ島一例)
・ビザ申請費用(20,650ペソ / 24週)
・SSP申請費用(6,000ペソ)
・労働許可証申請費用
・海外旅行保険(約100,000円 / 6ヵ月 ※AIU一例)
・現地での生活費(2~30,000円程度 / 月 ※節約すれば10,000円以内でも生活可)
※為替レート2015年4月時点 1ペソは日本円で2.68円
※上記は一例。
その他、学校によっては業務斡旋手数料などが必要になることもあります。
これまでのご紹介で費用に関してはある程度理解できたと思います。学習時間、費用を含めて、中長期の留学でなければ、そのメリットはなかなか実感できないものになります。
その為、各学校でのインターンシップ制度の募集も中長期であることがほとんどです。
■英語学習と合わせて海外での就労経験が積める。
≪インターンシップ制度とはいえ、貴重な海外就労経験≫
英語を学んで、日常的な会話を身につけて、さらにTOEICでもある程度のスコアを獲得したとしても、どれだけの方が実際に英語に携わる仕事に就くことが出来るのでしょうか。その数がまだまだ少ないことは周知の事実だと思います。
ただ、観光を中心に国家レベルで外国人を誘致する動きが活発になっています。事実、年間に1,000万人もの外国人が日本を訪れ、日本の観光地や文化を楽しんでいます。
そんな中、外国人が口を揃えて滞在中の問題や不満事項に挙げたのが、言葉が通じないことによって、コミュニケーションが円滑に図れないことでした。
JRなどでは、急がれる外国人対応の為、海外から多言語を扱える人材を登用しています。また、外国人に人気の家電店やドラッグストアでも、同様のケースが見受けられます。実に身近なところで英語を活用できる仕事が生まれつつあります。
これから就職活動を迎える方や転職を考えている方にとって、英語はその選択肢を広げてくれることでしょう。そして、その活動を行う際に有利になるのが、現場での経験です。同じレベルの語学力、TOEICのスコアを持つ日本人は数多くいます。ただ、そんな中で海外での就労経験がある方は、非常に少ないと思います。
語学力を必要とする企業にとっては、インターンシップ制度であっても、その経験を評価してくれることでしょう。ましてや、海外の企業やホテルで、中長期の期間、実務に取り組んだという経験は非常に価値のあるものです。数多くの面接対応をする面接官の印象にも残ることでしょう。
もし、インターンシップ制度を選ぶなら、それが自信にとって貴重な経験になるように、仕事を楽しみ、積極的にチャレンジする姿勢を持つことが大切だと思います。
■本記事のまとめ
≪インターンシップ制度が自分に合った方法かどうか考えよう≫
慣れない海外で生活するのも大変なものです。さらに仕事をしながら、英語を学ぶとなると尚更ですね。但し、通常の留学を比べるとコストはかなり抑えることが可能です。インターシップ制度が自分に合った留学方法なのかをしっかりと考えた上で、専門家などに相談をし、納得をした上でチャレンジすることです。
最後に1つ厳しい現実の話です。インターンシップ制度を途中でリタイアすると、当然無料になるはずであった学費・食費・宿泊費を支払わなければなりません。基本的にはリタイアした月の分だけが支払い対象となりますが、インターンシップ制度を申し込むにあたり支払い免除になっている項目が数多くある場合は、注意が必要です。申し込み時には、このあたりの条件についてもしっかりと確認しておく必要があります。