マトリックスで学ぶ英語表現、第4回です。今回は、物語の大きな転換期を迎える際のセリフについて考えましょう。先に、フレーズをどうぞ。
[Today’s phrase]
ちょっと長いですね。ただ、重要なのはこの文章の意味それ自体ではないのです。この文章を直訳ぎみに訳すると、次のようになります。
青い薬を飲めば、物語は終わり、君は自分のベッドで目が覚めて、自分が信じたいものを信じることができる。だがもし赤い薬を飲めば、君は不思議の国にとどまることができ、ウサギの穴がいかに深いかを見ることになる。
マトリックスで最初にネオは何者かに「白いウサギを追え」と指示を出されます。これは言うまでもなく、不思議の国のアリスの物語の冒頭と一緒で、こうした有名な文学は特別な意味を持った表現として登場することがあるのです。ここでの「不思議の国」とはアリスが迷い込んだあの場所のことであり、「ウサギの穴」とはアリスが落ちたあの穴のことなのです。
そこで、この文章を意訳すると、こうなるでしょう。
[Today’s question]
次の文章の意味を考え、訳してみましょう。
ここで言うblue pillとred pillというのが、マトリックスの引用であるのは間違いありません。しかし、マトリックスを見たことがなければ、「青い錠剤? 赤い錠剤? なんだそれは?」となってしまいます。そのため、使いどころには注意しなければなりませんが、しかしハマれば、非常にピシっとした英文となります。
ここでのポイントとしては、この場合、red pillを選ぶと、多少痛みを伴うような、苦い真実を聞かされることが暗示されているというニュアンスです。ちなみに、ネオはためらうことなく、red pillを選びました。
その結果、彼はどうなったのか? 次回、マトリックス編の最終回です。
今日はこの辺で!