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映画「華麗なるギャッツビー」から学ぶ英文法|prettyとveryの使い分け方

華麗なるギャッツビーというタイトルではありますが、語り部はニックという人物で、彼はギャッツビーの一番の理解者でもあります。物語の冒頭においてはまだ2人は出会っておらず、暫くはニックの平凡な日常が語られます。

華麗なるギャツビー
(出典:Paramount Pictures)

平凡なとは言いますが、それでも時代が良かったため、お金持ちは皆パーティをしています。そしてニックが都会の喧騒を離れて住んだ家は、ある別の家族の家の真向かいでした。

その家族、ブキャナン家と旧知であったニックはディナーに呼ばれるのですが、そこである女性が言うのが次の台詞です。

[Today’s phrase]

次の文章を訳してみましょう。

– I’m pretty cynical about everything.

prettyという言葉が入っていますが、これは「可愛い」という意味ではもちろんなく、後ろのcynicalを修飾する副詞です。prettyには、副詞で「とても」を意味する用法があるのです。pretty bigと言えば「とても大きい」ですし、pretty niceと言えば「とても良い」です。

ですが、pretty = veryではありません。どちらかと言うとveryよりも強調の意味合いは弱く、時に皮肉めいた言い方になることがあります。そのため、prettyを常に「とても」と訳すのは時に危険ですし、I’m very glad. という代わりに I’m pretty glad. などと言うと、「嬉しそうじゃないね」となってしまうこともあります。以下のように、例を示しておきましょう。

You look very happy. / You look pretty happy.
超幸せそうだね。/なんかやけに幸せそうだね。

That sounds very good. / That sounds pretty good.
凄くいいと思うよ。/まぁ悪くないと思うよ。

This is so nice. / This is pretty nice.
これ、すごくイイね。/これ、結構いいね。

She is so pretty. / She is pretty pretty.
彼女はとても可愛いね。/彼女はカワイイカワイイって感じだね。

使い方は難しいのですが、しかし使いこなせるとぐっと心情がこもった表現が可能になるpretty。見かけたときには、どんな意味なのか少し立ち止まって考えてみてくださいね。

[Today’s question]

次の文章を訳してみましょう。

– I’m pretty cynical about everything.

以上を踏まえて、今日のフレーズを訳してみましょう。cynicalは「皮肉な」です。シニカルという言葉は日本語にもなっていますね。とは言っても、訳すだけなら次のような感じで大丈夫です。

≪翻訳例≫

私って、とても皮肉っぽいのよね。何に関しても。

ただ、これをどんな感じで言ったか想像できれば文句なしでしょう。「とても皮肉っぽいのよね」と言いながら、ちょっと自嘲気味に笑っているのが想像できれば、その心情がprettyに込められたニュアンスです。

今日はこの辺で!

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