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映画「ユージュアル・サスペクツ」から学ぶ英文法|have itの使い方

4月のイベントと言えばエイプリルフールですが、映画はまさに嘘の連続です。広義で言えば、CGや脚本も嘘と言えますが、最後にどんでん返しがあったり、全体として観客の推理をミスリードしたりするような映画はそれだけで評価が高く、騙される快感があります。

映画 ユージュアル・サスペクツ
(出典:Asmik Ace, Inc.)

エイプリルフールにちなんで、そんな映画から1つご紹介しましょう。ユージュアル・サスペクツは、映画史に残るそんな傑作です。

[Today’s phrase]

– Rumor has it Keaton’s gone straight.

ユージュアル・サスペクツは、身に覚えがない容疑で5人の男達が一同に顔合わせすることになった後、そこから5人で別の計画を立案するも、そこから更なる裏社会の闇に巻き込まれていく物語です。果たして、黒幕は誰なのか。見え隠れする謎の男、カイザー・ソゼとは何者なのか。

5人のメンバーのうちの1人、キートンは、以前に別の罪で服役した後、真っ当な人生を送っていました。しかし、前述したように、身に覚えがない容疑で逮捕されてしまいます。そこで出会った4人の悪党が、更なる不運を呼びこむことになるとも知らずに……。

上のフレーズは、ある人物がそんなキートンに関して触れた際の台詞です。重要なのは二点、have it (that)と、go straightでしょう。

have it…は、主語に噂などを持ってきて、「~である、~と言われている」といった意味になります。ここでは、「噂では、キートンは……」という意味になるということですね。itの後、直ぐにthat節を目的語に取りますが、口語のためthatは省略されています。通常、thatは省略されないことが多いようです。

重要なのは、have it…はそうでなければ「~であるとされている」といった意味であると推測しにくいということです。多くのイディオムは字面や使われている単語からおおよその意味を推測することが可能ですが、特に基礎単語を用いたイディオムには知らなければ予想できない意味を持つものも多いので、そうしたものには注意しましょう

go straightは、「まっすぐに行く」という意味で、学校などで「この道を真っ直ぐ行ってください」などの表現で覚えた人も多いでしょう。しかしここでは更に一歩進んで、「更生する」の意味です。「まっすぐに生きる」の意味から、悪人などが更正する、といった意味合いになったのですね。

この様に、goの後に形容詞がつくと、「~になる」といった意味になります。この形容詞は悪い意味のものが来ることが多いようですが、それはgoの動詞の意味合いが関係しています。goは、通常、to Aといったように目的地を示す必要がある動詞であり、goだけだと”何処に向かったか”分からないのです。そのため、goの結果はout of controlであるとされ、あまり良い意味合いの形容詞と相性が良くないのです。He went good.と言えば、「あいつは良い奴になったよ(俺とはもう関係ないけど)」といったようなニュアンスがある他、He went bad.ならば「あいつはワルになっちまった」という意味です

[Today’s question]

次の文章を訳してみましょう。

– Some gossips have it that the celebrity went astray with a drug.

gossipはうわさ話ですが、rumorよりも取るに足らず、信憑性が無い場合が多いようです。celebrityは有名人ですが、一般にイメージされるような”お金持ち”かどうかはあまり関係ありません。astrayは「横道に逸れる」が原意で、drugはドラッグですね。

≪翻訳例≫

一部では、その有名人がドラッグで道を踏み外したといううわさ話も聞く。

go astrayは、それだけで「道を踏み外す・非行に走る」といったイディオムとして抑えておいても良いでしょう。ashtray(灰皿)と混同しないようにしましょうね。

今日はこの辺で!

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