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映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」から学ぶ英文法|人以外の代名詞にheやsheを使う

この記事を読んでいる皆さんにとっては、物を示す代名詞はitである、ということは周知の事実であるかもしれません。複数のモノを示すときは、theyが使われることも多くの人が知っているでしょう。”I have a book. It is my treasure.”や、”I have some books. They are my treasure.”と言うことができるのを押さえておきましょう。

パイレーツオブカリビアン 船(出典:Walt Disney Pictures)

しかし、場合によっては、人ではないにも関わらず、代名詞としてitやtheyを用いないこともあります。パイレーツ・オブ・カリビアンの、こんな台詞にもそれが現れていますね。

[Today’s phrase]

– I’d rather see her at the bottom of the ocean than in the hands of a pirate.

直訳すれば、「私は海賊の手にあるよりも、彼女を海の底で見たい」となります。果たして、彼女とは何なのか。この文章の意味は、どういうことなのでしょうか。

重要な点として、まずこの文章が比較級であるということを押さえておきましょう。比較級というと、「AはBよりも背が高い」などの文章が思い浮かびますが、このような文章もまた、比較級です。

比較されている二つの対象とは、ここではat the bottom of the oceanとin the hands of a pirateですね。この二つの副詞節は、seeとherにかかります。see A at (in) Bで、「AをBで見る・見かける」といった意味になります。I saw you at the mall.「昨日君をモールで見かけたよ」といった用法です。そうなると、「彼女が海賊の手に落ちるくらいなら、海の底に落ちてくれた方がマシだ」などというような意味として翻訳するのが良いでしょう。

では、”彼女”とは何なのか。ここで言う彼女とは、船のことです。実はこれ、ジャック・スパロウの策略によって船を奪われたある男性の嘆きの台詞なのです。海賊に奪われるくらいなら沈めてやる、とそういう心苦しい思いなのです。

このように、モノに対してitやthey以外が使われることは割りとよくあります。特にその対象に対して思い入れがある場合はその傾向が顕著ですが、地球、船、大地などはshe、神(God)を意味する場合などはheを用いる傾向が強く、更にペットなどの愛玩動物は牡牝によってheやsheを使うのも一般的です

もちろん、これらに対してitを使うのは間違いではありませんが、神様について言及する時はheを用いたほうが無難です。神様を「それ」扱いするのは非常に不遜とされるからで、感覚的にも分かりやすいでしょう。

また、神を表すheは、Godのgが必ず大文字であるのと同じように、どのような文脈でもHe / Him / Hisといったようにhを大文字にする傾向にありますので注意しましょう。

[Today’s question]

次の文章の意味を考えてみましょう。

– Look at this laptop. We’ve known each other for 5 years.

laptopとは、ノートパソコンのことです。ノートパソコンは和製英語なので伝わりにくいため、note computerやnote personal computerは避けたほうが無難な表現であることも押さえておきましょう。

さて、ここで問題になるのは、二つ目のセンテンスでweとなっているところです。このweとは何なのか。文脈を鑑みると、weとはthis laptop and Iのことであると考えられます。

そうなると、「このノートパソコンを見てくれよ。使って5年になるんだぜ」といったような意味になることがわかるでしょう。擬人化するほどパソコンを大事にしていることがわかりますね。

今日はこの辺で!

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