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映画「ユージュアル・サスペクツ」から学ぶ英文法|倒置の活用による英語表現の整理

またもズブズブと犯罪の世界の沼にハマりつつあったキートンとその仲間たちですが、ある依頼を巡ってクライアントと口論に。そのクライアントの上位の人間に直接話を付けるために話し合いの場を設けますが、そこに現れたのはコバヤシという男性。彼は、カイザー・ソゼの使いだというのですが……。

映画 ユージュアル・サスペクツ(出典:Asmik Ace, Inc.)

[Today’s phrase]

- Nine month ago, one of Mr. Soze’s less-than-intelligent couriers was taken in a complicated confidence scam by a cripple.

このフレーズは、実は裏社会の重鎮であるカイザー・ソゼに、キートン達5人が知らず知らずのうちに関わっていたことを聞かされるシーンのものです。その内の1人、バーバルは、このフレーズにあるようにして、カイザー・ソゼと関連していました。

crippleは、「手足が不自由な人、手足の身障者」といった意味合いから、人間ではないものに対して「欠陥品、不良品」といった意味もある単語です。また、less-than-intelligentは「賢いよりも下」と直訳できることから、「ちょっと頭が足りない」などと訳すことができる、sillyやfoolishの婉曲表現であることも重要です。

ただ今回メインで取り上げたいのは、受動態の表現についてです。

受動態とは、be動詞と過去分詞を組み合わせることで作ることのできる表現で、「彼に殴られた」といったことを言い表したいときに使います。しかしながら、実は受動態は多用すると分かりにくい文章になりやすいのです。それは、受動態という表現が、主体と客体の位置を入れ替えてしまうことにあります。

主体とは、I praised him.(私は彼を誉めた)における、I(私)で、客体とはhim(彼)です。言い換えれば、本来であれば、文章の主語は主体であり、動詞の目的語は客体であるのが一般的であるということです。しかし、受動態にすると、主語が客体になり、主体は副詞節として動詞の後に来てしまいます。本来の文章の順番と異なるため、時にわかりにくくなってしまうのです。

では、受動態を使うのはどういうときなのかというと、これを利用して逆に客体を際立たせたいときなのです。このフレーズがカイザー・ソゼに関するステートメントの中で使われたものであることは既に触れましたが、つまりカイザー・ソゼを話の中心に持ってこようという発話者の意志が感じられます。受動態を多用するのはあまり良くありませんが、受動態の意味合いを考え、意味が通りやすい文章にできるようにしましょう。

[Today’s question]

次の文章を訳してみましょう。

更にhe was deceived by a conmanとして受動態になっている理由について考えましょう。

- The man got broke for the bankruptcy, and moreover, he was deceived by a conman. The man was poor at money and seeing through a man.

まずは翻訳例を見てみましょう。

≪翻訳例≫

その男は破産によって一文無しになり、更に詐欺師に騙された。彼はお金の扱いについても、人を見抜く力についても得意ではなかったのだ。

単語として重要なのは、broke(一文無しの)、bankruptcy(破産)、deceive(騙す)、conman(詐欺師)、see through A(Aの本質を見抜く)といったところでしょうか。

さて、もしもhe was deceived by a conmanを、a conman deceived himとするとどうなるでしょうか。頭から訳していくと、次のようになることがわかるかと思います。

- その男は破産によって一文無しになり、更に詐欺師が彼を騙した。

なんとなく、文章の流れが綺麗ではないような気がするかと思います。それは、このセンテンスの主人公である「その男」を意味する言葉が、倒置しない文章(能動態の文章)では最初と最後に来てしまってアンバランスだからです。倒置することで、文章の途中でもう一度「男」が主語であることが想起され、理解されやすくなるのです。

非常に細かい文章のテクニックではありますが、こうした点に気をつけることができれば、スピーキングだけではなくリーディングやライティングの際にも役立つことは間違いないでしょう。

今日はこの辺で!

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